天穂のサクナヒメ

久しぶりに心を揺り動かされたゲームでした。
今、クリア後にデジタルサウンドトラックを買って、BGMを聴きながら余韻に浸っているところです。

さて、書きたいことはいろいろありますが、まず初回プレイで驚かされたのが起動の速さです。
私はPC(Steam版)なのですが、プレイを押してから3~4秒ほどでタイトル画面が出ます。これ、裏でロードが動いているとかではなく、「はじめる」を選択したら本当にすぐ始まります。
信じられませんでした。Incredible! 凄い技術力です。

もちろん技術力だけでなく、総合的な完成度が凄く高いゲームでした。
このゲームに惹きつけれた要因を考えてみると、最近のゲームに求められているものって日常性なのかなぁと思います。
この天穂のサクナヒメも、ストーリー的には人間があの世(?)に行って、神様と人間(+動物)が一緒に島暮らしをして鬼退治をするというトンデモ設定なのですが、暮らしの部分がすごくリアリティがあって妙に人間臭く「生活してるんだー!」感が半端ないです。

最初はなんで神様自ら農作業しないといけないんだよ、しかも人間誰も手伝ってくれないし(笑)、と思いましたが、声優さんの声が本当に感情こもってて、思わず農作業に精がでてしまいましたね。
田んぼの広さもこのくらいでちょうどいいです。Farming Simulator 19 ではその広大な農地にちょっとくじけましたから。
あと田んぼまわりの演出がいいですね。雑草とか、水路周りのちっちゃい虫とか、「そうそう!こんなやつ!」と思わずにいられない。


© 2020 えーでるわいす / マーベラス

アクションパートは、最初のボス戦は苦労しましたが、基本的に米作りを真面目にやってると強くなりすぎて簡単になります。
ゲームバランスは調整の余地がありそうですが、誰にでもクリアできるゲームという点ではいいのかもしれません。
本作の特徴である、羽衣を使ったアクションは最初とっつきにくいのですが慣れると気持ちいい。私は、兎(鬼)を羽衣で捕まえて、ぶん回して地面に叩きつけるのが好きです。(ひでー奴だな)
ただ、羽衣アクションで移動しないといけない地形があり、ここは結構キツイです。羽衣のくっつき判定がシビアなんです。

しっかし、食事(夕餉)にこれだけ凝ったゲームって他にあっただろうか。
献立はそれこそ食材を増やせば無限のように湧いて出てくるし、食事のシーンを見てるとちゃんと献立に近いグラフィックになってるし、食べ方もリアルだし食べ終わる順番も毎回違う。だいたい田右衛門が一番最後まで食ってるけど。
ゲーム進行上、まったく何の影響もないシーンなんですが、思わず見入ってしまいます。米を作ってよかった、と思える瞬間。あ、これきっと製作者の意図にまんまとやられてます。

狩りにも採集にも出かけず、一日縁側でボーッと田んぼ眺めるだけでも朝昼晩の移り変わりが綺麗で、ゲームに疲れたときはこれで癒やされます。ハッ!これも製作者の意図通りなのか?!
とにかく、ゲーム愛に溢れた作品だと思います。名作。

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